6次産業化中央サポートセンター

江戸時代から続く14代目/南農園南保次さん

事業継承と大きな経営転換の先に

大阪府寝屋川市で江戸時代から続く農家の14代目、南 保次さんは代々継承してきた稲作のほか、イチゴの生産・摘み取り体験を行う南農園を経営しています。寝屋川市に残る唯一の専業農家として、都市農業の難しさ、そして15代目への事業継承についても頭を悩ませながら、今まさに大きな経営転換の時期を迎えています。数年前から施設園芸への転換や都市農業の存在意義を考えるようになり観光農園に舵をきりました。

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広大な土地を確保できず売り上げを上げにくい都市農業は「難しい」、その一言で終わらせたくない。南農園として都市ならではの付加価値の高い農業を目指し、具体的な方法を模索している中、大阪府6次産業化サポートセンターの舘さんから支援制度の紹介があり、都市農業の新たなかたちを作りたいという思いで6次産業化エグゼクティブプランナーの支援を受けることにしました。

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「不得手な数字、論理的な考え方・・これまで逃げてきたものに直面することになりました。でも、ここに取り組まないと先へは進めないんだと覚悟を決めて挑みました。」南さんは支援のスタート時をこう振り返ります。

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支援に携わったのは、6次産業化エグゼクティブプランナーの片桐さんです。「本音を聞いてもらえて、寄り添って考えてもらえたおかげで、頭の中のものが語れるようになりました。」と南さんがおっしゃるとおり、支援を通して南農園のビジョンと方向性が整理され可視化できたのです。また、他業種から就農したばかりの息子さんも支援の場に参加。親子で支援を受けることで、南さんの思いも、片桐プランナーからの指導を息子さんと共有でき、課題であった事業継承についての見通しが立ちました。

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また、支援を受ける前までは年中農園に足を運んでもらう仕組みを作りたいと漠然に思っていたことも、お客様に周年楽しめる観光農園のかたちとして整理していただき、ハーブ園や加工場の運営方法、カフェ構想などが具体化されました。「南農園の競合はUSJです!スケールは違ってもこの農園に来てくれるお客様をどうやって喜ばせるかを考えることに変わりはない。プランナーの片桐さんに言われたことは忘れられません。」顧客起点で考え、手作り感の溢れる南農園らしいサービスやプランを、現在息子さんとともに進めています。

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今後はイチゴの収穫量向上と第二の柱として手掛けるシャインマスカットの収益確保が重要な課題であり、顧客開拓や広報戦略にも積極的に取り組みはじめています。また、納屋を改装した加工所はシェアキッチンとしての活用方法をコアファンとともに考えていき、地域の人々に愛される、そして必要とされる観光農園を目指します。支援を通して将来的な事業構想がまとまると、短期・中期・長期それぞれのビジョンを掲げ、社員増も視野に入れた5カ年計画が完成しました。「あとは結果を出すだけです。」と南さん親子は意気込みます。

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